2004年5月22日(土)

報告文:土屋トカチ


2004年5月22日、第22回ビデオアクト上映会が行われた。参加者は約20人。 「カフェ放送てれれ」とは、大阪を拠点とする女性だけのビデオ制作グループ・ビデオ工房AKAMEが主催している自主制作ビデオの上映活動で、大阪のカフェ・喫茶店などで2003年より実施されている。

「てれれ」とは、南米パラグアイのことばで「お茶の時間」という意味。カフェという一服する 場所で自主制作ビデオを通したメディア交流を目的として始められたので、「てれれ」とう名前になったそうだ。

「カフェ放送てれれ」には、お手本となった例があるという。それは、フランス・パリの「テレ ボカル」というグループで、 アニメーション、ドキュメンタリーなど様々なジャンルの映像を60分ほどの一本のビデオテープにまとめ、それを20か所ほどのカフェやバーなどに配り上映し ているそうだ。

その「テレボカル」からのメッセージが、「カフェ放送てれれ2003セレクト」の冒頭には収めら れている。そして、本編がスタートした。

収録作品は、2003年に上映された代表作品12本。テーマは多様で、「ニューカマー」「反戦」 「性暴力」「福祉」「在日」「自然環境」などだ。


以下、上映順に私感を記してみる。

■『日系ブラジル人としての私を生きる』(Re:C 松原 ・ユミ・ルアナ・アキズキ)
ニューカマーである高校生のセルフドキュメンタリー的作品。何とかして思いを伝えたいという 気持ちが表現されていると思った。大胆な構図が多い画も面白かった。

■ 『NO WAR』(小山帥人)
 小山さんは、ビデオアクトの反戦プロジェクト(現AcTV)にも沢山の作品を提供していただ いている。ピーズパレードも場所や参加者が違うと、雰囲気も変わることがよく分かった。

■ 『Shadow』(みやばら美か)
 主婦の仕事をシャドーワークというらしい。そのシャドーワークを実験的な手法で映し出した 作品。しかし、ビデオに映っている料理・洗濯などの日常活動は、私も毎日していることなので 、シャドーワークだとはどうしても思えなかった。(私は主夫ではないですが)

■ 『児童扶養手当てが減らされる』(下之坊修子)
児童扶養手当ての重要性をインタビューなどで伝える作品。私自身も母子家庭で育ったが、この 作品を観るまで、全く知らない事柄だったのでとても勉強になった。

■ 『The Dream of Reed』(Oz)
 テクニック的には、他の作品からズバ抜けている作品。イジメと戦争が短時間でしっかりと「 イヤなもの」と印象付けられる優れたアニメーションだと思う。

■ 『性暴力防止CM』(提供 Rape Crisis Survivors アメリカのCM-作品)
 シンプルで分かりやすいCM。ビデオ内でもCMという時間位置にあって面白かった。

■ 『3つの質問』(日高理都子)
「私はどこから来たと思う?」「これからどこへ行くと思う?」「あなたはどこへ行く?」とい う質問をイギリスの街角で出会った人々に質問するビデオ。企画して実践してみたことが良い。
ビデオ初心者の方にも勧められる手法だと思う。

■ 『在日- 反乱する肖像』(金成日キムソンイル)
映し出される外国人登録証の数々に驚いた。ただ、映像としては冗長な感じがした。

■ 『もし避妊に失敗したら…〜緊急避妊法〜』(ビデオ工房AKAME)
お話されてる先生の関西弁が耳に心地よく、勉強になった。

■ 『カモメのダンス』(山口順二)
 橋の手すりに並んだカモメがユーモラスに捉えられている。でも、カモメ自身にしてみたらダ ンスはしていないのかも・・・。そこが面白かった。

■ 『役者』(エンドウノリコ)
 50歳で役者を始めた松永節さんのキャラクターが面白い。ただ、インタビューが長い感じが した。役者としての稽古風景などがもっと見たかった。

■ 『トンボの里へようこそ』(桑本順子)
福井県中池見湿地の観察記。シンプルな作品だが、この湿地への愛情を強く感じた。


上映後、「カフェ放送てれれ」スタッフの下之坊修子さんから「てれれ」の活動内容を聞いた。 昨年までの「カフェ放送てれれ」は毎月10作品を、関西圏にある10店舗のカフェ・喫茶店で 上映していた。現在は隔月で10作品・3店舗で上映しているという。毎月10作品、現在は隔 月だとしても、この作品数を集めるのは大変な努力だと思う。

上映店舗が減ったのは閉店してしまったからだそうだ。これは、海外チェ−ン喫茶店の進出の影響もあるのだろう。何とも言えない気分になった。

途中、下之坊さんが撮影・編集したカフェでの上映の様子も映し出され、店内の様子がよくわかり面白かった。スクリーン張りをお客さんが手伝ったり、お茶やお酒を飲みながら気軽に楽しめ 、制作者も交わってワイワイガヤガヤと出来ることは、通常の映画館や上映会では味わえないことだ。

パリ生まれ・大阪育ちの「カフェ放送てれれ」は、市民の手による気軽に楽しめるパブリック・アクセスとして大変面白い活動だと思う。


現在、「カフェ放送てれれ」では「コンドーム」というテーマで作品を募集しているという。「 てれれ」を上映しているお店へ「男のたしなみ」などユニークなメッセージが書かれたコンドー ムを配っている女性が来店したことが切っ掛けだったとか。

作品の長さは5分以内ならば手法は自由で、8月10日締切だそうです。

上映会案内ページはこちら

※参考サイト
   カフェ放送 てれれ
      http://www2.osk.3web.ne.jp/~akamev/terere/

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