ビデオアクト 特別上映会
自由不平等
「自由不平等」という言葉をテーマに、それぞれの制作者が
3分間で表現した映像作品を一挙に上映!
上映会報告

報告文:小林アツシ

ビデオアクトでは、テーマに沿って3分間自由に作ったビデオを募集し応募され た作品を無審査で上映するという企画を何度か行ってきた。
最初に行ったのが1999年、山形国際ドキュメンタリー映画祭の中で特別企画とし て行った『ニッポン・戦争・私』だ。

その後、9.11事件の後、今こそもう一度やるべきだと『ニッポン・戦争・私 − 2002−』『ニッポン・戦争・私 −2003−』『ニッポン・戦争・私 −英語版−』 と続けてきた。

そして、2005年にはテーマを「憲法」に変えて『憲法万華鏡』。

これまでの一連の3分ビデオのいつくかは、海外の映画祭などでも上映された。 そして今回、2006年は『自由不平等』というテーマで行われた。
実は当初の企画では、ここ数年乱発されている不当逮捕事件を受けて 『弾圧万華 鏡(仮題)』というテーマもあがっていたのだが、スタッフ間で議論してもう少 し幅広くしようという事で『自由不平等』というテーマに落ち着いた。

集まった作品は15本。
詳細は最後に各作品の制作者からのメッセージを載せるが、 勝手に分類させてもらうと、アート作品、ビデオエッセイ、セルフドキュメンタ リー、映画予告編、言論弾圧(言論の自由)、不当逮捕、労働・雇用問題、国保 制度の問題、マイノリティ、戦争責任、郵政民営化、マンション生活……と書い ているうちに「分類」する意味が無いように思えるぐらいに多種多様な作品群と なった。
参加者の中から一様に出された感想としては、今の日本が非常に悪くなっている 現実を反映している、というものだった。 たしかに生きづらく危険な社会になっている。そんな中でのささやかな抵抗が今回の『自由不平等』のような試みだ。

上映会の参加者は、残念ながら少なかった。ビデオアクトの宣伝力や人材不足が 表れた結果になったとも言える。それでも続ける事がビデオアクトの活動の意義 ではある。意気に感じた方は、ぜひ、スタッフやサポーターとして参加していた だきたいと思う。 なお、今回の『自由不平等』は、パッケージ化しての頒布や将来的にはネットで の配信も予定されている。ぜひ、ご覧いただきたい作品群だ。

【各作品の作者からのメッセージ】

01『窒息』/ヴァンサン・ギルベール
Neo-liberalism try to make people believe that each individuality is primord ial into the society... but the "person" becomes a disposable tool that can be throw away anytime.

02『岩淵クン』/土屋豊→岩淵弘樹
私が講師を務めたあるドキュメンタリー・ワークショップの受講生だった岩淵クンが 、派遣工場労働者として仙台から埼玉に出て来た。彼はフリーターとしての日々をド キュメンタリーとして作品化するという。彼の「労働問題」とは如何なるものか?私 は、(一応)プロデューサーとして、その作品の完成を楽しみにしている。

03『JR職員のなげき』/松原明
JR職員は今日も居酒屋でなげく。新自由主義・利益優先のもたらしたものは「阿鼻 叫喚」の職場だった。

04『ひだるか予告編』/映画「ひだるか」製作上映委員会
主演で音楽担当の岡本美沙さんの主題曲を全編に流して、ストーリーの大筋を紹介。 予告編としては、ネタバレ過ぎるということで1分30秒バージョンもありますが、 三池闘争を現代に問う映画のアピールポイン トだけでも知ってもらいたいと思います。

05『言論の自由の否定の最たるものはホロコースト・タブー』/木村愛二
イスラエル建国の根拠、ホロコーストを疑う言論は同盟関係の西側諸国では犯罪扱い だが、西側の常識はイスラエルと対立するアラブ・イスラム諸国では大嘘である。イ ランの大統領がホロコーストを神話と主張し、国連の安保理の調査を要求する画期的 な事態に発展した。

06『自由不平等 国民健康保険証の巻』/Nanase production 
毎年楽しませていただいている3分間ビデオに、見る側でなく踊る阿呆になってみた くて応募しました。保険証の不便さは生活の中の小さな出来事に過ぎませんが、そこ にも差別や国家統制の影が見えます。でも、作ってみて伝えることの難しさを感じま した。

07『続 科学者として』/本田孝義
国立感染症研究所・主任研究官である新井秀雄さんは、著書を出版し、週刊誌のイン タビューを受けたことで処分を受けた。この言論弾圧事件を紹介する。

08『高槻マイノリティ訴訟「不平等と闘う」―自由を求めて―』/連帯ユニオン関西地区生コン支部ビデオ作成班「ASK」
高槻市は多文化共生・国際理解を目的に、60年代から小中の公立学校で外国人教育 (以下、「教育事業」という)が取り組まれてきた。しかし、2002年に、奥本市長 は教育事業の廃止を同市教育長に指示。これに対し関係者が抗議すると、在日韓国人 職員に公金詐欺事件をでっち上げ、「教育事業」の縮小・廃止を一方的に強行した。 現在、8ケ国にルーツのある50名の小中学生と二人の元指導員が原告となり「高槻 マイノリティ教育権訴訟」を大阪地方裁判所に提起し闘っている。この作品の舞台に なっている「集会(高槻市に多文化共生の輪を9.22行動)」は、その様な高槻市に 対して、多文化共生をもとめる外国人と日本人とが一緒になって声を上げるために開 催されたものである。   

09『自由不平等!郵政民営化の巻』/稲垣豊(郵政民営化を監視する市民ネットワーク) 昨日まで配達してくれていた郵便屋さんがもう来なくなってしまう。年金の払い出し まで頼んでいた過疎地のお年寄りにとって、それはもう生活が成り立たなくなる事態 に。郵政版自由不平等“棄村”施策とは。

10『素晴らしき新世帯―ビデオエッセイ 続・熟年離婚―』/正木俊行
引っ越した先は大都会のど真ん中。誰にも迷惑をかけずトラブルもなく暮らすために 、と示されたマンション規約は、「してはならない」のオンパレードであった。「安 全」と引き換えに、住民たちはみんな匿名で、存在さえ知られてはならないとでもい うようにひっそり暮らす。たこ壷の中の自由はどんな味がするのか、3ヶ月住んでみ てのレポートだ。

11『伯父さんの8月15日』/湯本雅典
半世紀以上を生きてきて、今何かが変わろうとしているのが少なくとも自分には感じ ます。でも、僕と違う世代はどう感じているのだろう?そこに視点を当てた作品を作 りたいと思って作った、ドタバタの作品です。

12『高円寺の空―ある兄弟の会話―』/渡辺逸郎
高円寺の路地の風景に応援を受け、初めての作品が出来ました。一寸呼吸を整えてウ ォーミングアップ完了。今度はもっとシャープな作品を作れたら…。高円寺の空は、 もう少しは待ってくれるでしょう。

13『The Cage』/遠藤大輔
何も足さない。何も引かない。人生是作品。

14『やられたままで黙ってはいない』/小林アツシ
多発する不当逮捕事件。そのすべてが大問題だと思う。今回取り上げたのはプレカリ アート(不安定さを強いられた人々)が声をあげる事に対する弾圧であり、サウンドデ モに対する弾圧だ。

15『自由な感じ』/土屋トカチ
かつて、「はたらくおじさん」という番組がありましたが、これはセルフドキュメン ト的「はたらくおじさん」です。仕事でも何でも命あっての物種ですね。



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