第32回
VIDEO ACT! 上映会

〜 平壌(ピョンヤン)からの告発〜

上映会報告




報告文:土屋豊

 1月30日、第32回目となるビデオアクト上映会が行われました。
上映会のタイトルは「平壌(ピョンヤン)からの告発」で、上映作品は 先月完成したばかりだという『銀のスッカラ』(監督:伊藤孝司)でし た。
 18時半に会場した途端、13名の団体の方々にお越し頂き、急いで 椅子を追加していると次から次へと来場者が続き、最終的に参加者は約 50名、大変盛況な上映会となりました。映画や集会のチラシ持参でお 越し頂いた方々も多く、チラシ置き場もかなり窮屈な状態でした。

 さて、作品ですが、1942年にわずか14歳で興南(フンナム)の 工場に日本軍により強制連行された尹昌宇(ユン・チャンウ)さんの証 言を丁寧に綴った秀作でした。ユンさんは、連行当時、過酷な労働条件 の下で全身に大火傷を負いました。そして、子や孫に囲まれて穏やかに 暮らす今でも、日本人に対して深い憎しみを抱いていましたが、監督で ある伊藤孝司さんと何度も面会するうちに少しずつ心を開いてくれたと のことでした。そのようなユンさんと伊藤さんとの個人的な関わり合い を、カメラのまなざしは見事にあらわしていました。それは、やさしく、 静かに、ユンさんの怒りと悲しみを見つめていました。マスメディアの 北朝鮮報道にほんの少しでもこのまなざしがあれば、と思ったのは、勿 論、私一人ではないでしょう。

 上映後、伊藤監督から制作の動機や経緯をお話し頂いた後、会場から の質疑応答がありました。たくさんの質問と感想があったのですが、一 番印象的だったのは、「横田めぐみさんも14歳だったけど、ここにも 悲しい14歳の少年がいるんですよね」という一言でした。  救い出せていないのは、拉致被害者だけではない。北朝鮮には、数え きれない程のユンさんがいる。この当たり前の事実を伝え、理解し合わ ない限り、日朝関係の改善はあり得ないと思えた貴重な上映会となった思います。

※本作『銀のスッカラ』と日本軍によって性奴隷にされた北朝鮮女性を描いた伊藤監督の前作 『アリラン峠を越えて』は、 コチラで、販売しております。

 

上映会・アンケートより(抜粋)
 

■「アリラン峠を越えて」を見て、是非 今回の作品もみてみたいと思ったのと、伊藤孝司さんにお会いしたいという一心で来ました。
唯一大切にしていた銀のかんざしで、徴用される息子の為にスッカラを作った母親の気持ちを考えると、胸がしめつけられる思いがしました。また日本に徴用され異国の土地で亡くなられた方の遺族の心情を思うと、どんなに辛く悲しかっただろうと思わずにいられませんでした。

■被害経験者に密着しつつ、時代全体が見えるように作られていた。「銀のさじ」という、火傷とは対照的な母の愛と、伝統食器と対比して作品の深さを増していた。このビデオを見ることができてよかった。

■伊藤さんのドキュメンタリーや、性奴隷を朝鮮共和国で取材した本などを前に見せていただきました。朝鮮と連帯していこうという気持ちに共感して、時々雑誌に伊藤さんの記事を見つけると読んでいました。
本当に、日本のマスコミを含め、日本の政治は大変ですけど、ヒューマンを大切にしていきたいものですね。私も私なりに、やれることを頑張ります。

■在日三世としての立場からの感想になりますが、まずこのような映画を作ってくれたことが、とても嬉しく感じられました。 しかし、もっと身近な私達について、もっと知ってほしいと思いました。
日本に住み、国民と同じ税を払いながらも、未だに行われていない戦後補償。今もなお続いている民族学校生への暴行。
真の東アジアの共生社会を目指すためには、より多くの対話が必要であるし、自分がどう生きていくべきか考える機会になりました。本当にありがとうございました。

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