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第33回 |
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VIDEO ACT! 上映会 |
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〜 死ぬまで、働ける?/働くことは、生きること〜 |
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上映会報告 |
報告文:本田孝義 |
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去る3月22日、東京ボランティア・市民活動センターにて、33回目となるVIDEO
ACT!の上映会が行われた。今回は「死ぬまで働ける?/働くことは、生きること」と題して、短編・中篇6本を上映した盛りだくさんの上映会だった。
次に、木下昌明さんがレイバーフェスタで発表してきた労働をテーマとした3分ビデオ3本を続けて上映した。2本目の『娘の時間』は、広告会社で働く娘が、朝8時半に出かけ、深夜2時、3時、時には4時になって帰宅する様を描いたもの。誰がどう考えても、「超過勤務」という言葉すら甘いと思えるほどの勤務実態を、娘の体を気遣う父の心情を合わせながら描いている。3本目の『息子の場合』は、仕事がなくゲームばかりしている息子の姿を描いたもの。最後に、就職する様子が出てくるのだが、なんとなくこれでハッピーエンドとは思えないのが今という時代だろうか。4本目は、『3分間の履歴書』。この作品は、これまで2本子どもの姿を撮っていた木下さんが、自らの履歴を写真を使いながら語っていくもの。人生を語りながら、自ずと「労働」が語られているのは、今回の上映会サブタイトルにある「働くことは
、生きること」をストレートに体現しているようだった。 5本目は、加藤雅司さん製作の『入れ歯作りの現場から〜口の中の偽装問題』。タイトルだけ見ると、何やら入れ歯作りにおける不正を告発した作品のように思えるが、(そういう要素ももちろんあるのだが)歯科技工士が社会的におかれている立場から、入れ歯作りにおける構造的な問題を描いた作品だった。耐震強度偽装問題の根っこの部分に、安く買い叩かれる建築士という構造があったように、入れ歯作りにおいても、歯科医から入れ歯の製作を依頼される歯科技工士にも同じような構図があるのだそうだ。なぜなら、入れ歯の製作にかかる
費用を出来るだけ安く抑えることにより、保険料から歯科医に入ってくるお金はそれだけ増えることになるらしい。そのしわ寄せが、歯科技工士に降りかかり、長時間の労働や十分に満足出来る入れ歯を作れない、結果として本来ならもっと長く持つはずの入れ歯が短期間でだめになってしまい、患者にも不利益になるのだ。こうした「業界」の話は、なかなか表に出てくることが少ないので、当事者である方がビデオを製作し、実態を伝えていくことは大変貴重なことだと思う。
6本目は、土屋トカチさん製作の『労働者は奴隷か! 〜住友大阪セメント残酷物語〜』。世の中では景気が回復したとかでバブル期を思わせる建設ラッシュが続いているが、建物の根幹を支えるセメントを運ぶ運転手は、長時間労働・歩合給という過酷な労働条件にある。
そのため、このビデオの主人公は、労働条件改善を求めて、労働組合に加盟するのだが、ヤクザまがいの人物を使った労働組合脱退工作が始まるのだった。この脱退工作はきわめて暴力的で、その様子をカメラは余すところなく暴き出す。主人公の母が急死し、葬儀会場まで押
しかけて脱退を強要する場面は圧巻だ。ついには、主人公自らも病気になり入院を余儀なくされる。しかし、ここでも労働組合の仲間が反撃に出る。住友大阪セメン
トの本社前でスクリーンを張り、今までの無茶苦茶な脱退工作を見せつけるのだ。このシーンはまさに ビデオアクティビズムを体現したようなシーンだった。この行動が功を奏したのか、翌日改善命令が出るのだが、その後の紆余曲折が示され、まだまだ前途多難な様子も伺える。 ここまで長々と各作品を紹介してきたが、一気にこれらの作品を見終わった時に、人が殺されるというのはこういうことかと思い、心底
怖くなった。そして、この国は根幹のところでぶっ壊れている様がひしひしと感じられた。各々の作品は、職種も人物の性格も違うのだが 、6本まとめてみることによって浮かび上がってきたものが確かにあった。もう一つ大切なことは、どの作品も当事者が「これだけは世間に
伝えたい」という想いが強烈にあり、こうしてビデオという形で見ることが出来た、ということだ。 |
ア上映会・アンケートより(抜粋) |
■上映された作品から総じて見えてくることは”無理やり押し付けられた”価値観のもとに、日本という国が突き進んでいて、その延長線上に労働の「過重性」や雇用の「不安定さ」等といった要素が存在し、それらを押し付けられた世の労働者達が悩み、喘ぎ苦しみ、 ひいては家族崩壊等の人間関係の喪失を招き、社会問題化させている事である。
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