第36回
VIDEO ACT! 上映会

郵政民営化の裏側で〜

上映会報告




報告文:土居哲真

2007年9月28日、36回目となるビデオアクト上映会が行われました。上映会のタイトルは「郵政民営化の裏側で」、上映作品は『郵政クビ切り物語 4・28処分と郵政職場』。1979年4月28日の郵政省による大量の懲戒免職の実情と、その後の免職者たちの活動を描いたドキュメンタリー。当日は、制作者の佐々木有美さんと松原明さんがお越しになりました。また、この映画の主役となった名古屋哲一さんと池田実さんも、会場に駆けつけてくれました。参加者は約25名。


映画は、免職者となった名古屋さんの日々の活動から始まります。チラシ撒き、そして、郵便局職員との小競り合い。名古屋さんは言います。「でも、俺は心を売ってないよ。」 発端は、当時国鉄や電電公社と並ぶ組合だった全逓信労働組合(全逓)と郵便局との1978年末〜1979年のたたかいまで遡ります。全逓が「ブツダメ」(意図的にゆっくり作業し、郵便物の配達を遅れさせる戦術)といったやり方で対抗した様子が、当時のフィルムを混じえて語られます。しかし、結果は61人の免職。免職者のひとり池田さんも、長年戦ってきた元全逓組合員です。正月、郵便局への抗議のため、作戦を練って声を上げますが、大勢の職員にもみくちゃにされてしまいます。それでも池田さんはマイクを離しません。無表情な職員と、必死な形相な池田さんとの対比が印象的でした。

労働組合というと、私たち団塊ジュニアの30代の世代、そしてその下の世代、いやもっと上の世代にも、馴染みのないものになっています。「闘争、頑張ろう」と拳をあげているおじさんには、私などは近寄りがたく感じてしまいます。しかし、この映画に写っているのは、個人の営みでした。「言いたいことは言わなければならない」という普通のことをしている人間の営みです。そしてそれを応援する仲間もいる。池田さんは、映画の中で「郵便局の匂いが好き」だと仰っていました。なんというか、その表情がとても印象的だったのです。

今回は、最高裁で勝訴し、免職者が職場復帰するまでを追ったバージョンでの上映でした。上映後、制作者の松原さんは、「労使のなれ合いが、現在の格差社会の根源となっている」と仰っていました。本当のところはどうなのか、私にはよく分かりません。けれど、人員削減のための、ゆうメイトと呼ばれる非正規職員の増加や、職員の過労という現実を前にして、職場復帰された池田さんの表情も複雑な様子でした。


今回の上映では、同時に『Ubin Watch Video 〜東京檜原村総集編 長崎新上五島町編』も上映されました。2007年10月、郵便局は静かに民営化されました。今後の郵便サービスがどうなるのか、生活に直接関わることだけに、国民の多くが注目しています。

 

*Ubin Watch Video 〜東京檜原村総集編は、DVD「自由不平等」に収録されています。
ビデオアクトウェブショップで販売しております。

 

上映会・アンケートより(抜粋)

■とても勉強になりました。

■昔、郵便局でアルバイトをしていました。大変な仕事でした。当時(1970年代末〜1980年代)は、郵政労働者にとって転換期だったのですね。働く者、労働者が安心して働けない職場、職制の顔色を伺う職場、同じ仕事さしても待遇に差のあるような職場はダメです。職場を、会社を、伸ばすのは働く労働者のおかげです。職場復帰を勝ちとった方々、長い間お疲れ様でした。最高裁の英断に感謝します。

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