第38回
VIDEO ACT! 上映会

「ホームレスの明日」〜

上映会報告


  

報告文:土屋豊

  去る1月31日、38回目となるビデオアクト上映会が行われました。上映会のタイトルは「『ホームレス』の明日」で、上映作品は『明日を夢見て』と『今日も焙煎日和』でした。
 事前の問い合わせも多く、並べた椅子の数で足りるか?と若干不安でしたが、案の定、続々と参加者が来場し、椅子を追加するのにちょっとバタバタしてしまいました。参加者は約50名。『今日も焙煎日和』の出演者の方による「こもれびコーヒー」試飲会のやさしい香りに包まれながら、和やかな雰囲気で上映会は始まりました。
 最初に上映されたのは、『明日を夢見て』でした。ホームレスの方々が街角で販売する雑誌「ビッグ・イシュー」。御存じの方も多いと思いますが、この作品は、その販売員と制作者である大学生とのコミュニケーションの記録でした。この作品の為に初めてカメラを触ったという学生たちの無邪気さが自然と販売員の方の心を開き、観ているこちら側もついつい笑顔になってしまうようなほのぼのとした作品でした。
 家をなくしてしまうことの構造的問題、なくしてしまった後の福祉の問題等へ踏み込んで行く部分はありませんでしたが、「ホームレスの人も普通の人である」というあまりにも当たり前なことを理解していない人たちにそのことを伝えたいという制作者の意図は、作品内で見せる販売員さんのチャーミングな笑顔だけで十分に伝わったと思います。
 次に『今日も焙煎日和』が上映されました。最近の「格差社会」報道の中でたびたび登場しているので御存じの方もいるかもしれませんが、いわゆる「ホームレス」状況にある人たちを地域で新たな生活が送れるようにサポートする「もやい」というNPOがあります。この作品は、その「もやい」によって新たな暮らしを取り戻し始めたおじさんたちが始めたコーヒー焙煎プロジェクトの物語でした。
 フェアトレードで仕入れたコーヒー豆を如何にうまく焙煎するか?この単純そうで、実は、かなり複雑な問いに悪戦苦闘するおじさんたちの姿は、あの『七人の侍』にも通じるような、人間味に溢れた物語を背後に感じさせてくれました。「ホーム レスの人も普通の人である」というあまりにも当たり前な定義を越え、豊かな人間ドラマに発展しそうな気配を感じさせてくれたこの作品、ラストクレジットに「続く」とあったので、続編を期待して待ちたいと思います。
 上映後は、いつものように『明日を夢見て』を作った小島典浩さん、森田更さん と『今日も焙煎日和』を作った飯田基晴さんを交えてのディスカッションが行われました。制作の動機や、今までの上映の反応など様々なことが三人の方から語られましたが、一番印象に残ったのが、飯田さんの『学生の頃から「ホームレス」の問題に関わっているけど、学校で教わったことより、「ホームレス」の人たちに教わったことの方が大きい』という言葉でした。まだ学生である小島さんと森田さんも、今後もこの問題に関わって行きたいと言っていました。
 社会との関係が希薄だと言われて久しい若者たちですが、一方で、フリーターの労働問題も叫ばれています。小島さんと森田さん、そして多くの若者たちから、今後、どんな作品が生まれて来るのか、そのことを非常に楽しみにさせてくれた今回の上映会でした。あっ、勿論、私も頑張ります。

※飯田基晴さんの前作『あしがらさん』は、 ビデオアクトウェブショップで販売しております。

 

上映会・アンケートより(抜粋)

■ 若い人でこのような視点を持った人たちの作品を見るとホッとする部分があります。広河隆一氏が講演で「フォトジャーナリストは写真家である前にまずジャーナリストでなければならないとい。」と言っていたのを思い出しました。

■ コーヒーをみんなで作っていくことが自体が、皆さんにとって ”生活の一部”であると思った。

■ 「明日を夢見て」は、素直な目線で制作されていて、とても印象の強い作品だと思います。 「今日も焙煎日和」は、今回初めてみましたが、ドキュメンタリーとしてとても楽しめながら、考えさせられる内容だったと思います。 是非、続編を制作して欲しいです。

■ 「得たいの知れない人」というイメージを揺るがす。

■ ホームレスの人の率直な言葉を映像から得られたのは良かった。 時々、良い面を見せようとしているように感じた。 そこはもっと、ありのままでもいいのでは。

■ 学生の時に見るのと 社会人になってから見るのは、違った感想を持った気がします。 学生の時の方が、ホームレスの方に近かった気がする・・・。

■ すっかりもやいの一つの顔である 「コーヒープロジェクト」のドキュメンタリーに深く感動しました。 雑誌「ビッグ・イシュー」のコンセプトと頑張っている販売員さんの笑顔、応援しています。でも、それだけで自立していくことの困難さも現実ですね。若い感性で受け取ったことを、これから生きていく中で、ぜひ活かしてほしいと大学生の皆さんに期待しています。

■ もやいという名前は、前々から知っていたのですが 具体的な活動内容を知りませんでした。 今日は映画を通して知ることができました。 参加者が若い方が多く、うれしく思いました。

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