第39回
VIDEO ACT! 上映会

米軍基地の被害【沖縄 高江、東京、そして……】 〜

上映会報告


横田02 高江02 高江03

報告文:本田孝義

 去る2月15日、「米軍基地の被害 沖縄 高江、東京、そして・・・」と題した上映会が行われた。通常、VIDEO ACT!の上映会は2ヶ月に1回なのだが、沖縄・高江のヘリパット基地建設 が強行されようとしているという緊急性に鑑み、上映日を早めての上映会であった。おりしも、上映会の直前にはまたもや沖縄で米兵による女性への暴行事件が発生し、「米軍基地の被害」を考えざるを得ない状況での上映会ともなった。そういう意味ではビビットな上映会だったと思うのだが、こちらの宣伝がいき届かなかったせいもあり、思ったほど人は集まらなかった。少々残念ではあった。
 上映は『静かな夜を 〜横田基地による爆音被害をなくすために〜』から始まった。ついつい東京都民は「米軍基地」と言えば他人事のように考えがちだが、この都下にも米軍基地はある。その一つが横田基地である。ビデオは何度も基地と市街地の地図を示しながら、基地周辺、あるいは飛行ルートにいかに多くの人が住んでいるかを見せる。多くの人が爆音被害を語る中で、とりわけ印象深いのが、かつてのベトナム戦争時代を思い出し、子どもが泣き止まなかったことを語りながら思わず涙ぐむ方だ。今でも同じく子どもを抱えた方も大勢いるだろう。こうした状況下にありながら、ある意味当然と言えば当然なのだが、不動産会社はマンション・アパートなどが飛行ルートにあることなどに全く触れず、爆音がすることを知らないまま転居してくる人も多い。さらに醜いのは、爆音訴訟においては、「危険性を知りながら危険に近づいたのだから受任すべき」という転倒した論理を国は平気で主張するのである。憲法で保障された「生存権」すら踏みにじるような有様である。「静かな夜を」という主張は至極当たり前なことなのに。
 続いて『やんばるからのメッセージ 〜沖縄県 東村 高江の記録〜』が上映された。沖縄県の北部は「やんばるの森」と呼ばれる豊かな自然が残っている地域である。珍しい動植物の宝庫としてマスコミなどでも紹介されることが多いが、ここにも米軍基地があり、ヘリパッド基地が建設されようとしていることはほとんど報道されない。監督の比嘉 "マーティ" 真人さんは基地 建設阻止の座り込みに参加しながらこの作品をまとめたそうだ。ビデオは冒頭、「やんばるの森」の美しい光景をいとおしむように映し出す。そこに突然、ヘリコプターの爆音が轟き渡るのだ。そして、基地ゲート前のヘリパッドを建設しようとする沖縄防衛局(旧那覇防衛施設局)と建設に反対して座り込みをする人々とのはげしいやりとりを映し出す。私はこの映像を見ながら、あらためて腹立たしい構図があることに気付いた。一番緊迫した場面には全く米軍の顔は見えないのである。確かに、新たに基地を建設しようとしている辺野古でもそうだった。私たちが忘れそうになるのは、これらの基地を建設しようとしているのは「日本」なのである。米軍のために基地を建設するこのねじれた構造が何より日米安保の構造であり、いつも犠牲になるのは基地周辺の人々だ。そんなことを見ながら思った。ビデオは上映会直前の映像を加えて、最新情報ともなっていた。
 上映後は、『静かな夜を』を制作した小林アツシさんと写真家の山本英夫さんがディスカッションを行った。講義を聞いているような分かり易い基地問題の解説だった。会場からは、沖縄の座り込みに行ったり、防衛省前の抗議行動に参加している方も多く、今、私たちに何が出来るか、何をしなければいけないかが熱く語られた。米軍基地がこの日本にあることは被害と同時に現在進行形で戦争に加担していることでもある。他人事ではない、と思う人が増えればきっと何かを変えられる、そう思えた上映会であった。

 

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